”5S” について以前から関わってきました。
2020年7月にコラムの執筆依頼がありこちらに掲載されいます。
こちらも参考にしてください。
i-Common ビジネスコラム
「製造業における5S」
https://i-common.jp/column/corporation/5s

”5S” は以下の5つのアイテムの頭文字(ローマ字)”S”を取ったものです。
(1)整理(Seiri)
必要なものと不要なものを区別すること
(2)整頓(Seiton)
必要なものを使いやすいように配置すること
(3)清掃(Seisou)
ゴミが落ちていないなど汚れの無い状態にすること
(4)清潔(Seiketsu)
汚れの無い状態を維持すること
(5)躾(Shitsuke)
上記を習慣付けること
ポイントは、
「どう解釈するか」
「徹底的に実践できるか」
です。
例えば、工場を例にとりましょう。
私が考える一番よくない例は次に示すようなものです。
工場長が部下に「うちは5Sができていないから、5Sをちゃんとしなさい」とだけ指示する。当たり前のことなんだから勉強してやるように。
これはうまくいきません。
工場のミッションは、材料・部品を購入して加工という付加価値をつけるプロセスを経て商品として供給責任を果たすことです。そのために工場長は製造コストの低減、品質改善、納期遵守など多くの指示をしています。
上記のような5Sの指示をするとその優先度は下がってしまいます。
なぜなら、5Sをしなくても工場の機能は止まらないからです。


では、なぜ5Sをするのでしょうか?
5Sをすると何が良くなるのか?
答えは「全て」です。
(1)生産性 :ムダが無くなり余計なコストがかかりません
(2)品質 :作るモノも安定してよい品質になります
(3)安全 :怪我をする要素がなくなります
(4)人材育成 :取り組んだ人にノウハウが蓄積されていきます
5Sの目的を達成するためにはどのように活動をすればよいのでしょうか。
まず、ポイントで記した5Sの「解釈」です。
解釈はそれぞれの現場にあった解釈が必要で、そこにはトップの強い意志が非常に重要になります。


例えば以下のように解釈(例)をつけ加えてみました。
(1)整理(Seiri)
必要なものと不要なものを区別すること
- 今必要のないものは手元におかないでしまっておく。
- 今日使うものだけを作業場に用意する
- 不要なものには印と期限をつけて期限いないに排除する
- 動きのムダをみつけて無くす
- 転記作業のようなムダな業務を改善する
- 情報システム上の不要な操作を無くす
(2)整頓(Seiton)
必要なものを使いやすいように配置すること
- 必要なものが必要な時にすぐ取り出せるようにする
- 肩が動かない範囲に組立に使う部品を配置する
- 工具を必ず種類ごとに間違わず片付ける(格納場所に名前をつける)
- 通路にはものをおかない
- 垂直平行に置く
- 知りたい情報をすぐに取り出せるような仕組みをつくる
(3)清掃(Seisou)
ゴミが落ちていないなど汚れの無い状態にすること
- 毎日設備の汚れを落とす
- 加工のくずを加工するごとに捨てる
- 不要なメールの削除
- 窓を毎日拭く
(4)清潔(Seiketsu)
汚れの無い状態を維持すること
- 汚れの原因を突き止めて対策する
- 汚れたら目立つような床にする
- 自動清掃機能をつける
(5)躾(Shitsuke)
上記を習慣付けること
- 清潔な状態が維持されるよう責任者とルールを決めてルールを守るよう指導する
- ルールを守れない場合の罰則を決める
- もっとよくするためにはどうすればよいか考える習慣をつける
- 決まった時間に5S点検やミーティングを行う
- コンテストを行う
- 他のグループの良い事例を取り入れす
まとめ
”5S” はトップの推進する強い意志と対象現場に合った解釈を行い、担当者の自主性を重視した進め方で行いましょう。
目指すは徹底的なムダの排除、機能の追求、自主性と人材育成です。

