【Business】「5Sと安全」本当の”5S”ができている製造現場は”安全”です

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5Sができている製造現場は安全が担保されています。
その理由ついて私の経験を元に説明します。

<関連サイト>
i-Common ビジネスコラム「製造業における5S」
https://i-common.jp/column/corporation/5s/

  • 5S おさらい
  • 製造現場の安全について
  • とある海外の工場にて
  • 労働災害が起こる原因
  • 長続きしない「場当たり的な対策」
  • 安全は意識・知識・景色
  • まとめ

5Sのおさらい

5Sとは以下の5つの言葉のアルファベットの頭文字をとったものです。
意味も簡単につけました。

整理(Seiri)   : 必要なものと不要なものを区別すること
整頓(Seiton)  : 必要なものを使いやすく配置すること
清掃(Seisou)  : 汚れのない状態にすること
清潔(Seiketsu)  : 汚れの無い状態を維持すること
躾(Shitsuke)   : 上記を習慣づけること

言葉だけとれば、現場・職場に必要なものだけ配置して綺麗な状態を保つことなので、簡単なように思えますが、製造

製造現場の安全について

安全に対する取り組みは製造しているものや、使用する材料等によってそのレベルは異なります。一般的に大きな重量物を扱っている職場や、プレスや切削、溶接など設備の取り扱いに注意が必要な現場、薬品など有毒なガスや液体を扱う製造現場は命の危険にさらされる可能性があるため、最も厳しい対策を講じているでしょう。一度重篤災害があると被災した人の命や人生に関わります。

従って、どこの工場に行っても「安全第一」を掲げ、作業着の着用や、帽子・ヘルメット、軍手、メガネや耳栓などを装着することを義務付けている製造現場もたくさんあります。

海外の工場にて

海外の工場を見学した時に、「この工場は労働災害が多くないですか?
」と聞いたことがあります。予想通り「多いです。なんでわかるのですか?」という回答でした。工場見学をして気になったことは、通路や置き場所と思えない場所に部品や材料、または不明なものが置かれていたり、通路が曲がりくねっていて(これは建屋の設計上仕方ない部分もあります)、注意しないと通路から脱してしまいそうであること。製造しているワークの動線が分かりにくいなど、多くの非効率を生む要因があったたからです。また、海外なので作業者の入れ替わりが激しいため、採用されたばかりの人が、最初は注意するかもしれませんが少し慣れたころにつまずいたりぶつけたりするのではと感じたからです。

作業者は品質確保や納期管理のために人間らしく臨機応変に動くことがあります。品質や納期などを優先する場合に安全の優先度が落ちてしまうケースが多々あることを認識しなければなりません。

労働災害がおこる原因

労働災害が発生する原因は様々ですが、作業者の不注意やムリな作業による怪我が大井と聞きます。厚生労働省の統計では平成28年度の製造業の死傷者の内訳は以下の通りです。

(1)はさまれ・巻き込まれ 7160件 25.7%
(2)転倒         5360件  19.2%
(3)転落         2988件 10.7%
(4)切れ・こすれ     2792件 10.0%
(5)無理な動作      2444件  8.8%

上記4つの要因だけで74.4%になります。

長続きしない「場当たり的な対策」

災害がおこると、その直因に対して対策を講じるケースが多いです。例えば部品や製品を運ぶ台車に足を踏まれて打撲したという災害の場合、その台車に対策を施した事例を聞いたことがあります。また、設備に手を入れて挟まれたという災害も聞きますが、設備にエリアセンサーを付け、手を入れたら設備が止まる仕組みにする等の対策が一般的です。もちろん必要な対策であり、有効だと思いますが、そういう職場ではそもそもどのような教育をしているのか、疑問が湧いてきます。普段から無理な作業や実施してはいけない作業が徹底して禁止されているのか。設備に手を入れたのはなぜなのかなど分析すると、生産性や納期が優先となり、根本的な対策や教育が徹底されていないことが問題ではないでしょうか。直因に対する対策に加えて、真因を追求してそこに対策を講じることが大事です。

安全は意識・知識・景色

安全はそれを維持する仕組みや仕掛けも非常に重要です。ただしどんな仕組み・仕掛けも安全意識の低いところでは無力にもなり得ます。

●意識
 製造現場のマインドは非常に重要です。生産性、品質、納期と「安全第一」をどれだけシンプルに繋げて意識させるか、まだトレードオフになる場合何を優先するかは明確に指示をする必要があります。急いでいる時、疲れている時などに災害が発生します。そういう時にこそ安全を意識できる教育を行うことが大事です。

●知識
 危険な個所や行為についての知識をしっかりと得ることが重要です。どういうことをしたら挟まれるのか、挟まれたらどうなるのか、そういう時にぶつかるのか、ぶつかったらどうなるのかなど、製造現場で働く人が知識を持ってお互い注意し合うことも行いましょう。

●景色
 見た目に綺麗で広くて垂直平行に整然としている製造現場は災害は起こりにくいでしょう。そのような意味で景色が重要であると考えます。散らかっていたり汚れていたり、ムダがある職場はそれだけ災害発生の確率は上がります。

まとめ

本当の意味での5Sができていれば、以下の点で製造現場に安全が確保されているといえます。

(1)ムリな作業がない
 災害の原因は「ムリ」な作業をしていることが多いためムリな作業をしないことが5Sで徹底されていれば、労働災害は発生しません。ほとんどのケースがイレギュラーな作業を人間が行うことで発生するのが災害です。普段から定位置で定義された作業をムリなく行うことを目指すことが重要です。

(2)危険の要因(ムダ)がない
 通路につまずく原因のものがあったり、垂直平行ではない場合など、作業者はいつもと違うことに注意をしなければなりません。その注意しなければならないこと自体がムダなのです。あらかじめ通路や作業場所が区分管理され、余計なこと(ムダなこと)を考えずとも効率よく作業ができればそこに労働災害の発生する余地はありません。

従って各々の製造現場にあった5Sを追求すれば安全な職場になることは間違いないのです。

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【business紹介】場所を選ばない仕事の仕方 エンジニアの方へ

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新型コロナの影響で在宅勤務できることが当たり前の状況になってきました。
一方で元々「働き方改革」と称してそのような働き方は現実的、かつ推奨もされていています。特に開発業務に集中したいITエンジニアは自宅でも旅行先でもパソコンとネットワーク環境があれば大抵の仕事はできるのではないでしょうか。

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多様性の時代

多様性の時代を言われています。
高齢化で親の介護もしなくてはなりません。お子さんがいれば育児もしないとなりません。経済的に専業主婦は難しいです。性格的に会社生活がなじめなかったりハラスメントを受ける方もいて、そんな方の中には能力に秀でている方がたくさんいます。

これからは場所と時間から解放された環境で仕事がきることが重要ではないでしょうか。

こんな悩みありませんか?

地元に戻りたいけどスキルを活かせる仕事がない

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【Business】本格的なオンラインの展示会(見本市)が始まりました

新型コロナの影響で外出や出張、密な場所へ行きにくくなってきた2020年いよいよ企業の見本市もオンラインで行うようになってきました。
今回はエボルト社のオンライン展示会が2020年11月に開催されるということで紹介させていただきます。


evort 3days Online Expo 2020 Nov.
https://evort.jp/special/

以下、evort社のサイトのコピーをそのまま抜粋しました。

オンライン展示会の先駆けであり専門であるevortが
考え抜いて出した答えがevort 3days Online Expoです。
会場を歩いて思わぬ発見があることが展示会の魅力。
新しい見込み顧客と接点をもてることが展示会の魅力。
そんな「ここでしかない出会い」をオンラインならではのやり方で実現します。

evort 3days Online Expo 2020 Nov.
https://evort.jp/special/

2020.11.11-11.13 セールス・マーケティング展

2020.11.18-11.20 リモートワーク・働き方改革展

2020.11.18-11.20 健康経営・職場ヘルスケア展

2020.11.25-11.27 スマートファクトリー展

2020.11.25-11.27 環境・エネルギー展

オンラインでの情報検索なら展示会や見本市にしなくてもいつでもできるじゃないかと思うのですが、どうやらリアルな展示会の良さと、オンラインならではの良さを追求した形のようです。

期間限定でお祭り感をだしているのもそのひとつではないでしょうか。
見に行くだけなら、無料で登録してPCでもスマートフォンでも参加できるようなので、内容を確認してみてはいかがでしょうか。

「スマートファクトリー展」には私の知っている会社も多数出展しているのでこれからじっくり観に行きたいと思います。

【Business】スマートファクトリーの実現に向けて

「スマートファクトリー」について書きます。
久しぶりに依頼をいただいて、コラムを執筆しましたのでこちら↓も参考にしてください。

i-Common ビジネスコラム 
「コロナ禍からの復活のためのスマートファクトリー実現に向けて」
https://i-common.jp/column/corporation/smart_factory/

目次

  • スマートファクトリーとは
  • 日本はなぜ遅れているのか
  • 日本の工場の弱体化
  • 逆転のシナリオ

スマートファクトリーとは

そもそも「スマートファクトリー」って何なのでしょう。
私の持論はモノづくりにおいて最も簡単な言葉で、やるべきこととあるべき姿を表現すると、「ムダ排」して「ムダの無い」工場 です。
人間でいうと贅肉の無い、筋肉質でスマートな体。
言い換えると、「機能するために最適化された姿」でしょうか

工場の設備などを全て接続するとそれができると説いたのが2010年
清威人さんの書いた

「スマートファクトリー」
戦略的「工場マネジメント」の処方箋

という本に書かれています。
設備の情報を繋げるというのは手段であり、それができるとそこで得られた情報を活用すると、工場のマネジメントが劇的に変わるということです。

日本はなぜ遅れているのか

日本はデジタル化に遅れをとってしまいました。工場の設備からリアルタイムに情報を取得することができれば、工場のマネジメントが劇的に変わる
とのことですが、そのマネジメントをイメージできる工場長がどれだけいるでしょうか。私が会った工場長でできそうな方はほんの僅かです。
ほとんどの方が自分が育ったやり方を継続しています。一方で中国に製造拠点を作り安い人件費で製造コストを削減してきたつもりが、中国の人件費は上がり、日本国内は人材不足。中国は国を挙げて自動化を進め品質レベルも向上しましした。

日本の工場の弱体化

日本のやり方を中国に持ち込み、中国でのコスト競争にさらされ、そうこうしているうちに中国は莫大な投資で自動化を進めました。

日本企業は日本の工場に投資もできず、人材育成も不十分まま20年が過ぎてしまいました。特に情報システム投資が上手くありません。
人材育成も情報システム投資もできないのに強化はできないのが普通です。
さらに設備の自動化はスタンドアローンが多くネットワークに接続しても部分的な機能しか持たない専用システムを構築するにとどまるケースが多くみられます。

工場すべての設備、場合によっては作業者からも共通の仕組みで情報を接続して、工場のマネジメントに活用しようとする企業はあまり聞きません。また工場の生産技術部門と情報システム部門が連携して仕組みを構築している企業も少ないのではないでしょうか。両方の技術が連携・融合して初めてスマートな工場になるのだと確信しています。

逆転のシナリオ

進んでいる欧米や中国を逆転することができるのでしょうか。
新型コロナの影響でさらに追い打ちをかけられている日本の製造業ですが、まだまだ光はあります。

海外の自動化の映像をよく見るのですが、ムダが多いように思えてならないのです。Amazonの梱包のように割り切って標準化を優先するというのは間違っていい無いかもしれませんが、きめの細かいムダが無くち密な生産ライン設計やレイアウト設計は日本が得意とするところです。ただ自動化すればよいというものではありません。5SやIEの考え方で無駄なく効率化されたプロセスを自動化すべきというところはまだ日本の方が優れていると信じます。

従って、同じ土俵に乗るだけで日本は優位性がでるのではないでしょうか。
また、日本という特異なマーケットにはまだまだ日本企業が強いです。家電も自動車もやはり日本人には日本企業の製品が強いので日本の消費者にも鍛えられた品質で世界で勝負できるはずです。

【Business】渋沢栄一の「論語と算盤」を考える

令和になってお札が新しくなると発表されました。
新しいお札の顔は「渋沢栄一」
名前は聞いたことがあるけど何をした方なのか?
知っている人は少ないのではないでしょうか。

  • なぜ今の時代、渋沢栄一なのか
  • お金儲けは卑しいことではない
  • 理念ある会社が存続する
  • SDG’s
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なぜ今の時代、渋沢栄一なのか

深谷駅の前に銅像が立つ「渋沢栄一」
深谷駅の駅舎は東京駅と同じレンガでできています。渋沢栄一が設立にかかわった日本煉瓦製造の工場があったのが彼の生まれ故郷である深谷なのです。

渋沢栄一は現存する日本の企業をたくさん起業しました。
設立にかかわった会社は約500社
銀行・金融をはじめ、交通やガス、食品などあらゆる業種にまたがる企業を築いたことも特筆すべきポイントです。またそれら多くが現在の日本経済を支える代表的な企業へと発展しています。

代表的な企業を今の会社名で紹介すると、「みずほ銀行」「JR東日本」「帝国ホテル」「東京海上日動」「東急電鉄/東急不動産」「東京ガス」「東京証券取引所」「東洋紡」「王子製紙/日本製紙」「日本郵船」

他にも、いすゞ自動車、キリンビール、サッポロビール、清水建設、川崎重工業、第一三共、古河機械金属、新日鐵住金、太平洋セメントetc..、渋沢と関わりがあった企業として、これだけの有名企業をあげることができます。
明治の日本の産業革命時、新しいビジネスを作り雇用を生んだ日本経済の父です。

今、まさに第4次産業革命と言われ、新規事業立上げブーム、ベンチャー企業がたくさんできる時代です。産業革命の時代には新しくできる職業と無くなる職業があります。
日本の中に新しい事業・会社をつくり雇用と利益を生んでたくさん税金を納めることが大切な時なのではないでしょうか。グローバル競争が激しい時代に海外の企業にビジネスを取って変わられることは避けたいところ。


お金儲けは卑しいことではない

渋沢翁曰く、「お金儲けは卑しいことではないのだ」と言っています。
そもそも論語にはそのようなことは書いてないし、解釈として間違えているとのこと。
前段でも書きましたが、社会問題を解決することで雇用と利益を生めば、税収も増える。このお金の流れをつくらなければ経済が回らないのです。

重要なことは
(1)社会の課題を解決するビジネスであること
(2)雇用を生むこと
(3)納税の義務を果たすこと
ではないでしょうか。そこに道徳的な考え・理念があれば、誰も不幸にはなりません。


理念ある会社が存続する

今も事業が継続している企業には確固たる創業者の理念があります。
会社の存在意義、社会貢献、産業貢献、世のため人のためになることをするのだということが明確に表現され、社員に徹底してその理念を伝えます。

「富をなす根源は何かと言えば、仁義道徳。正しい道理の富でなければ、その富は完全に永続することができぬ」

これが渋沢栄一生涯を通じての理念です。
彼が設立にかかわり現在も存在し続ける企業それぞれの理念も素晴らしいものです。


SDG’S

サスティナブル・デベロップメント・ゴールズ
Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)
持続可能な社会に向けて動き出しました。
環境問題、高齢化社会、人材不足・・・
様々な問題を解決するビジネスを考えて社会に貢献していきたいと思います。

渋沢栄一翁のような大きなことを成し遂げずとも、「一隅を照らす」ことでなにかしら役立つ。「一隅を照らす」人がたくさんいればまさにそれが国の宝となるでしょう。
私もその精神でビジネスを考えていきたいと思います。



【Business】日本企業の自動化が進まないわけ

最近気がついたこと。
アメリカの企業や中国の企業はあっという間にデジタル化やシステム化が進みます。
一時期「ものづくり」で世界をリードしてきた日本はなぜ遅れてしまったのでしょう。

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割り切りのよい欧米中国

先日ある会社のセミナーを受講しました。
アメリカ企業の事例で、驚くべき速さで10工場、20工場と製造IoTのシステムを展開していました。ポイントは2つ

(1)トップダウンで徹底
 情報システムは様々な選択肢があります。機能が豊富で汎用的に開発・導入できるパッケージソフト、専用的に作られた安価なパッケージソフト、またはフルスクラッチで開発するという手段もあります。どれも一長一短あり投資額や、短・長期的視点やマッチするかしないかで選択されますが、関係者が全員賛成で導入されることはまずありえません。いろいろな意見がある中で選択をしなければなりませんが、一度会社として決めたものに対して徹底的にトップダウンで導入を進めるのが欧米中国といえます。

(2)割り切り
 逆に言うと工場側の拘りを捨てています。
どのような画面でどのようような管理をしたいという工場長や工場スタッフの意志はそこには反映されません。全社共通のシステムで同じ画面、同じ定義のKPIで管理する。システムの標準機能のみを使って一旦終わりにしています。
 全社共通の仕組みは標準化されたシンプルな仕組みが一番わかりやすく、展開が早いのです。

日本ならではのきめ細かさ

日本はというと、トップダウンで進める場合も多々ありますが、必ず抵抗勢力があり、その抵抗が導入する部門・工場であることが進まない理由のひとつに挙げられます。

「トップや推進部門、本社スタッフは現場を理解していない」と判断して前向きに導入しようとしません。そして、どのような方法、ツール、画面でどのように管理をするかというところに強いこだわりを持っています。割り切りをできるだけせずに、細部にこだわったきめ細かい管理がこれまでの日本の良い所でもあり、その中心がいつまでも人なのです。

もちろん、こだわりも、人の育成やマネジメントも重要ですが、それをすることで自動化・システム化をしない理由にはなりません。苦手意識が強いとも見受けられます。

いくら自動化をしても人はゼロにはなりません。
自動化して人は人しかできない仕事で価値を高めることでスループットを最大化すれば人を減らすことすら不要になる場合もあり、それを目指すべきではないでしょうか。

自動化は人を減らすのではなく、人の価値を高めるアナログ強化として進めるべきです。

自動化を進めるためには

自動化をする際は、それが設備(ハード)であろうとシステム(ソフト)であろうと、仕様・要件を定義しなければなりません。これが日本人が非常に苦手とすることです。

曖昧でも臨機応変に目的に向かってきめ細かい運用・管理をしてきたので、何かを捨てて大局を決めることが難しいのです。

これを打破するには、標準化、形式知化を進めるしかありません。
それには、全体最適を認識したうえで細部の拘り(個別最適)を捨てて共通の定義を決めることから始めるとこが肝要です。

【Business】コスト削減はプロに任せる時代

どの会社もコストは下げたいものです。
私の仕事は、主に情報システムの活用によるコストの削減です。
もちろん5Sや意識改革、管理強化などあらゆる方法でコストを削減するお手伝いをします。

Photo by Frank Cone on Pexels.com
そんな私が手も足も出ないコスト削減のサービスが最近登場したのを知りました。

例えば、電気代
通常、電気会社に交渉して安い価格を引き出します。
安くなるとコスト削減になり、だいたいそこで満足してしまいます。
電力が自由化になり、どこから電気を購入するか選択肢が増えました。
しかし、電気代の場合、原価が消費者にはわからないので、契約している電気料金が適正な価格なのかはわからないのが大半です。
なぜ、それで許されているのかというと、ベースになっている価格が従来の自由化前の基本料金だからです。その価格よりも安くなればコストが下がった=適正と勘違いをしているのです。自由化になったのであれば価格を自由に競争させることをしないと適正な価格が見えてこないはずです。

それができる専門家に任せるほうが良いと最近考えるようになりました。

例えば、賃料
オフィスの賃貸料は最初に選ぶとき、場所のわりに安いところを一生懸命探します。そしてだいたいが2年契約です。その間に付近の相場を調べて契約更新するときに交渉したりするでしょうか。もしかしたら今の場所を選んだ時よりももっとお得な場所が出現しているかもしれません。地価や相場は変わりまが、それにもかかわらず、賃貸料は固定費として支払われ続けます。交渉するにもあまり交渉材料がないのが実態で賃料は下げられずに契約更新することが多いのではないでしょうか。

であるならば、交渉のプロにまかせるのもよいのではないかと考えます。

【word】「一隅を照らす」・・中村哲医師が好きだった最澄の言葉

「一隅を照らす」について書きます。
これは平安時代に天台宗を開いた最澄の

「一隅を照らす者、これ、国の宝なり」

という言葉です。
“一隅”とは、誰もが気づいていないほんの片隅のことです。または、本当は直視しないといけないのに目をそむけているものという意味もあるようです。

そんな一隅を照らす人、何とかしようと行動する人こそ国の宝であり、人間として最も尊敬されるべきだと最澄は言っているのです。

この言葉を私が知るきっかけは2つありました。
(1)比叡山・延暦寺
(2)中村哲医師

比叡山・延暦寺

2020年8月に初めて比叡山を訪れました。国宝の根本中堂に向かう途中にこのような石碑がありました。「一隅を照らそう」

どこかで聞いたことがあるなと思いその意味を延暦寺で教わりました。

最澄が書いた「山家学生式」に中に次の一説があります。

国の宝とは何者ぞ、宝とは道心(どうしん)なり
道心ある人を名けて国宝となす
故に古人の曰く、径寸(けいすん)十枚これ国宝にあらず
一隅を照らす、是すなわち国宝なりと

国の宝は仏を信じる心であって、金銀財宝ではない。
皆が気付かないような社会の片隅を照らす人こそ国の宝なのです

注目されずとも、自分が置かれた場所でベストを尽くすことが大切なのだと説きます。
自分も心構え次第で何か社会に役立つことができそうな気がします。


中村哲医師

2019年12月4日、アフガニスタンで凶弾に倒れた中村哲医師(享年73)。
アフガニスタンとパキスタンで市民とともに人道・復興支援に尽くした中村さんが、
好んで使ったのが「一隅を照らす」という言葉でした。中村哲医師とはどのような方だったのか簡単にまとめてみました。

1973年 九州大学医学部卒業後、佐賀県、福岡県の病院に勤める。
1984年 パキスタン北西部ペシャワルの病院に赴任。
    ハンセン病患者の診療に当たる。
    非政府組織「ペシャワール会」も発足。
1991年 アフガニスタン山間部の無医地区の苦境を知り、国境の峠を越えて
    診療所を開設。パキスタンと合わせて11カ所で診療所を運営。
2000年 アフガニスタンで大干ばつが発生。
    農地の砂漠化が進み飢えと渇きの犠牲者が多く
    「もはや病の治療どころではない」。
    井戸掘りを始める。2006年までに井戸は1600カ所となった。
2003年 地下水の枯渇に直面。
    地下水に頼るかんがいの限界を知り、用水路の建設を始めた。
2010年 「マルワリード」と名付けられた用水路が完成。
    砂漠だった場所が緑に生まれ変わった。
    住民の求めに応じて各地で取水口などの整備を続ける
2019年 アフガニスタン政府から名誉市民権を授与される。
    用水路で潤った土地は約16500ヘクタール

「誰もがそこへ行かぬから、我々がゆく。
誰もしないから、我々がする」

まさに「一隅を照らす」ことを身をもって強力に実践して示した医師が中村哲さんです。私も小さいことでもいいから、今いる場所・立場でできることを考え行動して生きていきたいと思います。


【Business】頭を下げられる職種とコストが下がらないリスク

頭を下げられる職種とは、わかりやすく言うと会社のお金を使う職種、セールスを受ける職種のことです。なぜコストを下げることができないか。今までこれで苦労をしてきました。決してその職種の批判をするわけではありません。職権乱用とまではいかないまでも、職種によっては自分に厳しく仕事をしないと、よく言われる癒着のようなことが発生しかねません。

会社の中はほどんどがお金を使う人たちです。
ちなみに、使ったお金を回収してくれる唯一の職種が販売・営業です。

以前、有名な自動車メーカーの社長さんがこんなことを言っていました。

「お金を儲けるよりも、使うほうがずっと難しい」

そんなこと言ってみたいもんだと思っていましたが、お金を何にどう使うのかは企業にとって大変難しい課題です。自分のお金だと思って大事に使う社員がどのくらいいるか・・・ほとんどの会社員は会社のお金だと緩むのではないでしょうか。

(1)頭を下げられる職種
(2)築きあげた関係性
(3)価格だけではない
(4)コスト適正化のために何をすべきか

頭を下げられる職種

これはよく言われるのが、「調達」「情報システム」「物流」です。
「総務」も似たようなところがあります。
いわゆる営業を受ける仕事・会社のお金を使う職種です。

「調達」は多くの材料・部品メーカーや商社から「ぜひうちの製品を買ってください」と営業を受けます。昔の話ですが、私の知っている調達部門の方は自分で家具を買ったことが無いと言っていました。年末になると職場にもたくさん頂き物がありました。全部取引先の担当者が買ってくれたものです。過度な接待や贈答品は控えるようにと言われて久しいですが、特に大手企業への売り込みはすごかったんだなと思う反面、同じ給料をもらっているのになんで調達部門だけ生活の面倒までみてもらえるのか疑問を感じたものです。

情報システム部門も開発は外部に委託することも多く、また大規模システムやパッケージソフト等を導入する場合は多額の投資が必要であるため、その予算を自分の会社への投資に向けるべく多くのIT企業が営業します。

物流部門も自前で全て賄うことは投資やノウハウが必要で餅は餅屋に任せる方が良いというのが昔からの主流ではないでしょうか。倉庫までは自前で保有していたとしても、輸送については自社トラック、自社ドライバーまで揃えている会社は少ないでしょう。とりわけ国際輸送は国ごと輸出入に関わる様々な手続きが存在します。船や飛行機はさすがに自社で保有することはほとんどないでしょう。3PLという言葉も出て久しいですが、物流・ロジスティクスは専門の会社が、物流の必要な商材を持っている会社に営業をし、物流担当者はその中から安価で質の良い物流会社を選択することになります。従って物流担当者は多くの物流会社から頭を下げて売り込みを受けるのです。

築きあげた関係性

一度取引が始まると、売った方はしめたものです。
何かトラブルがあった時は一生懸命対応して信頼を築いていきます。もちろん逆にトラブル時の対応が良くない場合は、契約の更新をしなかったり、他社に取引を変更することになるでしょう。

通常はお付き合いが長くなると、担当者同士(人間同士)がよいお付き合いになり、困りごとがあるときは呼んでもいないタイミングで来て助けてくれたり、サービスレベルも向上していきます。いわゆる「ツーカー」になっていく、便利になっていくのです。

価格だけではない

そうこうしているうちに、お付き合いの無い会社も価格を下げてきたり、サービスも良くなっている場合があります。
毎年きちんと取引先を選び直しているかというと、よくわかってくれている担当者がいるほど便利で離れがたくなります。

そうすると担当者はその取引先を守るようになります。値段が高くでもサービスが良いとか、自社のことをよくわかってくれている等主張します。もちろん嘘ではないし価格が安ければ良いというものではありません。

しかし、取引先の担当者とも懇意になって情が移る場合もあります。
徐々に公平に会社のために一番良い選択を行うというマインドからは離れてしまうこともあるのです。そうなると、なかなか適正なコストを維持することができません。

コスト適正化のためには

何をすればよいかというと例えば下記の対策をお勧めします。

●定期的な担当者の変更
 異動を定期的にしすることで、取引先と長く関係を保つことを避け、癒着のような状態を回避することができます。新たな担当者は前任よりも良い仕事をしようと思うとより公正な目で取引先や購入する製品を見ることができるでしょう。

●KPIの妥当性チェック
 どれだけコストダウンまたはコストリダクションをしたかというKPIをよく聞きますが、元の価格(基準)を取引先と相談して釣り上げておくことができます。例えば予め購入価格の合意ができているのに当初の見積もりを故意に高く設定して、何十%もの値引を獲得したなんていうということができます。それは交渉努力の結果ではありません。そういうズルができないチェックシステムがあるとよいでしょう。

●外部(プロ)による診断
 最近は様々なコストの適正化診断サービスがあります。普通の会社の担当者ができないような仕組み、組織を持っているので評価だけでも実施してもらうことをお勧めします。私の知っている会社は電気代、賃料など総務管轄のコストについて相当額下げてもらったと聞きました。

【Business】オンラインの恩恵「スポット・コンサルティング」

自分の経歴を登録できるサイトがあります。社会人になって30年近くたちそれなりに経験を積むと、何かしら相談に乗れるもので、相談を受けることがよくあります。
1回の相談がだいたい1時間で5000円~30000円程度ですが内容によります。

オンラインミーティングで時間も希望を言って合わせられるので、副業としては非常にありがたいマッチングサービスです。

どんな相談が多いかで、自分の仕事に関する最近の傾向がわかることがあります。
今日はその内容についてご紹介ましょう。

Photo by Christina Morillo on Pexels.com

大きく分類すると以下の3つの相談が多いです。(2020年10月現在)

(1)新規事業での新システムの評価
(2)デジタル化、IoTの進め方
(3)物流関係

(1)新規事業での新システムの評価

 昨今、起業する方や、新規事業を立ち上げる方が非常に多いようです。

 もともと、働き方改革、Society5.0、SDG’s、などなどバズワードだらけですが、そこにきて新型コロナが時代の変化を加速していつようです。こんな時は新しいビジネスがどんどん生まれるんですね。一方で良いアイデアでも最後はどうやって売るかだと思いますし、だんだん本当に売れるんだろうかと不安になることもあるでしょう。

 そういう背景もあり、新規事業で考えたことを聞いて欲しいという相談も多いです。ほとんどがソフトウェアですが、私にとってもアイデアを聴けるチャンスにもなっています。若い方がたくさんアイデアを事業化していることがとても楽しく、応援したくなります。業務効率化のシステム、マッチングサービスなど私の経験の中の工場や倉庫に関する仕事をしていた経験がそんな若い起業家たちの役に立つことはとても嬉しいことです。

(2)デジタル化、IoTの進め方

菅総理大臣になって加速するであろうテーマに「デジタル化」があります。日本がどんどん遅れているということもあり、各社進めなければならない必須テーマです。

この数年で取り組んでいる企業は増えましたが、効果を生んで加速していくかと言えばそうでもないようです。開始してみたものの思ったような効果が出ないとか、お金がかかるという理由で足踏みをしている企業もおおいようです。

また、どうやって進めたらよいかわからない企業も多いと聞きます。スモールスタートで安い専用システムを導入すると、そもそも期待効果は高くないのに、あまり効果がでないものだと思い込んで次のステップに進めない企業も多いようです。
確固たるゴールとそこに至るまでのステップを描いて進めないといけません。

ポイントは「データ活用」とそのための「データ取得」といったところでしょうか。

(3)物流関係

物流についての相談はコンサルティングファームから多く寄せられます。依頼主はクライアントに対してビジネスコンサルティングを実施しているのでしょうが、物流の専門家や実務・管理経験のある方は少ないのでしょう。私は物流事業会社に所属していたことと、荷主側の製品事業会社に所属していたことがり、あまり経験しないコースのようです。

物流事業会社に所属していた時は、海外物流拠点の共通フォワーディングシステムの企画・開発を行い導入した経験と、グローバルな物流会社の情報システムの在り方について企画をしていました。もちろん実務の話をよく聞かないといけないですし、教育も受講しました。物流は非常に奥が深い分野です。その割に荷主からはコストにしか見られず、理不尽な要求に応えているのに日の目があたらないことが多い難しい事業です。

荷主側にいた時は、自社の物流を管理する立場でした。だいたいが物流費をどれだけ安く抑えるかという内容ですが、やっていると自社の製品のことをよくわかってくれている物流会社の物流品質という価値も理解できてきます。ただ単価を下げるよう厳しく要求や交渉するだけの管理ではなく、荷主も一緒に効率化を考えるスタイルの方が両者WIN-WINで長期的に良い関係になると思います。

そんな私の経験談が非常に参考になると言われます。物流品質を維持改善しつつコストを下げることは、非常に高度なノウハウですし、ドライバー不足など物流を取り巻く環境も変わってきているので、今後も注目される分野なのでしょう。