ずっと観たかった映画をやっと観ました。北海道が舞台、雪景色が郷愁を誘います。1両編成の鉄道が雪景色の中を雪煙をあげて走る姿は胸が熱くなります。北海道育ちの私も懐かしい映像ですが、ちょっと前の変わりゆく日本の情景を描いた素敵な作品でした。
炭鉱、ローカル線・・・皆無くなってしまいました。そして、高倉健さんも、志村けんさんも亡くなってしまいました。涙・・・失ってたものをたくさん見たと同時に、懐かしいこと、故郷のこと、鉄道のこと、今の時代やこれからの時代について考えながら鑑賞しました。
鉄道について
第一次産業革命で蒸気機関車が登場します。石炭が鉄道を走らせ、鉄道が人や石炭を運び、街と街、人と人の距離を縮めました。駅には人が集まり商業も発展しました。産業の発展に鉄道が果たした役割は非常に大きく、まさに日本の国土に血が通うがごとく鉄道網が作られました。そんな鉄道が電化され高速化されていきます。
石炭の街は廃れ、若い人が仕事を求めて都会に出ていき石炭を運んでいた鉄道も不要になっていきます。しかし鉄道は少なくなった人と人を繋ぎ続ける社会インフラとして必要とされますが、民営化されると採算が悪くなり廃線なっていく。北海道みたいに広大な土地に人が少ない所はそうなる宿命です。
個人的には北海道は鉄道や電気は公共事業であって欲しい。
公(おおやけ)の心
明治気質、不器用な日本男児を演じたら高倉健さんの右に出る者はいません。明治の日本人は国の発展のために尽くす人がたくさんいたと聞きます。国のため、人のために喜んで私財を命を投じた日本人がたくさんいたことを忘れてはいけない。そんなことを考えさせるところもありました。
産業革命
第一次産業革命で蒸気機関車が登場し鉄道が人の距離を縮め、駅が発達しました。第二次産業革命では電気が人々の生活を圧倒的に便利にしました。鉄道も電化されモーターで走るようになりました。第三次産業革命ではコンピュータが登場して、生活にコンピュータが浸透していきます。
新しいもの、便利が道具が登場すると、新しい仕事、職業も生まれる一方で、無くなってしまう仕事もたくさん生まれます。飛脚や馬車、電話の交換手などはいまはもうありません。
自分の仕事もこれからの時代に合った仕事の仕方に変えること。昔ながらの仕事しかできないという年配の方にも変わってもらわないと会社は生き残ることができないかもしれない。おういう思いで仕事をしていますが、何十年と積み重ねてきた仕事の仕方は変えることは難しく、誇りを持っている方も多い。
大切なこと
世のため人のために働く仕事というのはとても尊く憧れます。例えば公務員の方々がそうなんだと思います。自分のことよりも人のこと、世のため人のためという思いで働く方たちがいる。せめてそんな人たちを支える自分でありたいと思いました。
また、変わりゆく時代の中でも、仕事に誇りをもちながら時代に取り残される人がいることを忘れてはいけないと思いました。
・・・セリフが沁みます
「おやじさん、キハの笛は胸の底までしみるっしょ
新幹線の笛も、北斗星の笛もいい声だけど
キハの笛は聞いてて泣かさるもんね
わけもないけど、俺、聞いてて涙でてくるんだわ」
皆さんの思い出の沁みる笛の音はなんでしょうか