【Business】棚卸と在庫「減らすの?持つの?」

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よく同じような意味で使われる言葉ですが、違いについて説明をしたいと思います。

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会計における棚卸

企業経営では、月末や会計期末などの特定の日を定めて現実に存在する資産の数量や現況を確かめる作業が必要になります。このような作業を実地棚卸とよびます。

実地棚卸が帳簿棚卸と異なる場合、その原因を調査することが必要ですが、差が生じた場合、これを棚卸減耗費(減耗損)とよんでいます。

また棚卸に際しては棚卸資産の品質低下や陳腐化等の原因によって、価値が下落してしまうこともあります。決算においてはこのような手続で貸借対照表に計上する棚卸資産評価額を決定するので、棚卸は重要な会計手続として位置づけられています。

 企業経営においては、資産に関する棚卸ばかりでなく、借入金や手形等の負債の残高を確認することも同様に「棚卸」と表現することもあります。

棚卸は減らすもの

棚卸資産は一般的に経営上少ない方がよいとされます。経営指標として「棚卸資産保有日数」というものがあり、10日ということは10日間の売上高に相当する資産を保有しているということになります。これが100日となると、その資産を保有するためにかかったコスト(調達・製造など)が100日間回収されないとも解釈されます。

ただし、そしてそれはあくまでも平均値であり、品種ごとの鮮度分析をすると300日、500日保有している資産がある場合もあります。例えば製品にするのに300円かかった場合、それ以上の値段で販売しかかったお金を回収しなければ、経営は成り立ちません。販売してお金を得てそれが給料や支払いに繋がります。それをキャッシュフローを呼びます。保有日数が長いとその分の保管量や銀行から融資を受けていたら利子が膨らんでしまい、汚れや品質上のリスクも高まり売りにくくなるという悪循環も抱えます。

キャッシュ(お金)がフロー(流れる)しないと会社経営が成り立ちません。
銀行から融資を受けるなどして資金を調達しないと倒産してしまうことになります。

従って、かかったお金を早く回収するためにも棚卸は少ない方が良い(リスクが少ない)とされているのです。従って棚卸は減らすものなのです。

在庫は適正量持つもの

これはSCMの観点での言い方でもあるのですが、棚卸削減の趣旨と同意で、在庫削減という言葉をよく見聞きします。もちろんキャッシュフローの観点からは在庫削減=棚卸削減となるので決して悪いことではないのですが、在庫は必要だから倉庫という保管場所を設置してまで持っているのです。

これはお客様へのデリバリーのサービスレベルにもつながる重要な資産ですから、持たなければならないものです。重要なのは持ちすぎないこと。目標で定めたサービスレベルを確保できる在庫量を適正在庫(安全在庫)として持つ必要があります。

在庫を適正量持たなかったためにお客様の希望納期遵守率が下がってしまったら、機会損失や信用の失墜につながり、売り上げにも影響するため、資金回収できず経営上悪い方に向かいます。

投稿者: Kenichi Sato

札幌育ち、横浜在住のベイスターズファン 関西にも頻繁に出没します。 まだまだ世のため人のために働いて楽しい人生を送ろうと思っています。

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