「スマートファクトリー」について書きます。
久しぶりに依頼をいただいて、コラムを執筆しましたのでこちら↓も参考にしてください。
i-Common ビジネスコラム
「コロナ禍からの復活のためのスマートファクトリー実現に向けて」
https://i-common.jp/column/corporation/smart_factory/
目次
- スマートファクトリーとは
- 日本はなぜ遅れているのか
- 日本の工場の弱体化
- 逆転のシナリオ
スマートファクトリーとは
そもそも「スマートファクトリー」って何なのでしょう。
私の持論はモノづくりにおいて最も簡単な言葉で、やるべきこととあるべき姿を表現すると、「ムダ排」して「ムダの無い」工場 です。
人間でいうと贅肉の無い、筋肉質でスマートな体。
言い換えると、「機能するために最適化された姿」でしょうか
工場の設備などを全て接続するとそれができると説いたのが2010年
清威人さんの書いた
「スマートファクトリー」
戦略的「工場マネジメント」の処方箋
という本に書かれています。
設備の情報を繋げるというのは手段であり、それができるとそこで得られた情報を活用すると、工場のマネジメントが劇的に変わるということです。
日本はなぜ遅れているのか
日本はデジタル化に遅れをとってしまいました。工場の設備からリアルタイムに情報を取得することができれば、工場のマネジメントが劇的に変わる
とのことですが、そのマネジメントをイメージできる工場長がどれだけいるでしょうか。私が会った工場長でできそうな方はほんの僅かです。
ほとんどの方が自分が育ったやり方を継続しています。一方で中国に製造拠点を作り安い人件費で製造コストを削減してきたつもりが、中国の人件費は上がり、日本国内は人材不足。中国は国を挙げて自動化を進め品質レベルも向上しましした。
日本の工場の弱体化
日本のやり方を中国に持ち込み、中国でのコスト競争にさらされ、そうこうしているうちに中国は莫大な投資で自動化を進めました。
日本企業は日本の工場に投資もできず、人材育成も不十分まま20年が過ぎてしまいました。特に情報システム投資が上手くありません。
人材育成も情報システム投資もできないのに強化はできないのが普通です。
さらに設備の自動化はスタンドアローンが多くネットワークに接続しても部分的な機能しか持たない専用システムを構築するにとどまるケースが多くみられます。
工場すべての設備、場合によっては作業者からも共通の仕組みで情報を接続して、工場のマネジメントに活用しようとする企業はあまり聞きません。また工場の生産技術部門と情報システム部門が連携して仕組みを構築している企業も少ないのではないでしょうか。両方の技術が連携・融合して初めてスマートな工場になるのだと確信しています。
逆転のシナリオ
進んでいる欧米や中国を逆転することができるのでしょうか。
新型コロナの影響でさらに追い打ちをかけられている日本の製造業ですが、まだまだ光はあります。
海外の自動化の映像をよく見るのですが、ムダが多いように思えてならないのです。Amazonの梱包のように割り切って標準化を優先するというのは間違っていい無いかもしれませんが、きめの細かいムダが無くち密な生産ライン設計やレイアウト設計は日本が得意とするところです。ただ自動化すればよいというものではありません。5SやIEの考え方で無駄なく効率化されたプロセスを自動化すべきというところはまだ日本の方が優れていると信じます。
従って、同じ土俵に乗るだけで日本は優位性がでるのではないでしょうか。
また、日本という特異なマーケットにはまだまだ日本企業が強いです。家電も自動車もやはり日本人には日本企業の製品が強いので日本の消費者にも鍛えられた品質で世界で勝負できるはずです。